本気
田舎に住んでる祖母が床下乾燥の高額な契約をしてしまって困っていた。
当時私は20代後半。
祖母の家には掛け合える人はいなくて私が掛け合う事になった。
相手は田舎の年寄をターゲットにしている営業さん。しかも、祖母はその人に通帳を見せていた。
機械は床下に数台据え付けられて月日もたっていた。クーリングオフはもう出来ない。
でも裕福でもない田舎の祖母の家族。
このままだと、祖母がずっと家族から責められてしまう。
どうにかして、床下の機械を除けて貰ってお支払無しにして貰わないといけない。
すぐ、業者に電話をした。
怒らさないように、でも相手の痛いところをついて、何とか機械の撤去をお願いする。
長い時間会話した後、撤去の承諾を貰った!
会話の最後に聞かれたのが、「貴方はお婆さんのどういう関係ですか?」
私「孫です」
年も聞かれて答えると驚いた様子だった。
本気で掛け合った。
怒らさないように、慎重に。
もし相手が少しでも怒ったら終わりだから。
祖母を助けたい一心だった。
あれから20年以上経って、言いたい放題、やりたい放題。
今の私にあの時の会話が出来るのか。
「非対立」の本を読む。
あの時の私は非対立だったから上手くいったんだと思った。
どうすれば上手くいくか分かっていたし、本気だった。
今私はどこかに「本気」を持って生きている?
私の中に「本気」はまだあるよね?
色んな事を上手に手放しつつ、本気で毎日生活する。
たぶんそれを毎日探してるんだ。
暇なのね。
あと十分幸せなのね。