ごはん貸して~!
あら、
ごはんが一人分たらんわ
ちょっとおばちゃんとこ行ってきて、
ごはん借りてきて
おばちゃ~ん
ごはんあるん?
お茶碗一杯かして
あるで
あるで
もう返さんでええで
ありがとう!
小学生の頃
ごはんの貸し借りを近所でしていた
醤油やソースなんかは
当たり前
ごはんも
当たり前
貸して~
返さんでええよ~
定番文句
スーパーが近所にたくさん出来て
借りる事も貸すことも
無くなった
借りたご飯の香りは
家のご飯とかわりなかった
あの頃は
何でもかんでもが
おもしろい
よそよそしく
なかった
ごはん貸してが
無くなった頃から
少しよそよそしくなった
おばちゃ~ん
って言いながら
玄関ガラガラって開けることも
無くなった
何も聞いてないのに
隣の家の事をぼんやり理解してた
家の距離は変わらない
のびのび が
どこか
せまぜま に
感じる
ただ
寂しく感じただけ
ただ
またいっぱい会いたいと
思っているだけ